探偵業法
平成18年6月2日探偵業法成立し平成19年6月施行
名称:探偵業務の適正化に関する法律(探偵業法)
探偵業法(探偵業の業務の適正化に関する法律)平成十八年法律第六十号
探偵業は許可制に比べて緩やかな規制である届出制となっております。
その背景は不法な行為を行った一部の探偵業者が社会的問題となったことです。
例えば、警備業を例に挙げると警備業者の不法行為が社会的問題となり、その規制のために届出制となりました。
その後も不正行為が社会的問題となったことで警備業は認可制となり資格制度も導入されました。
我々探偵業者も許可制並びに認可制又は資格制と厳格な規制にならないように法律を遵守することが大切です。
従って探偵業法は消費者を守るための探偵社に対する規制であって探偵業者の保護を目的にするものでも社会的認知度を上げるものでは有りません。
(目的)
この法律は、探偵業について必要な規制を定めることにより、その業務の運営の適正を図り、もって個人の権利利益の保護に資することを目的とする。
(定義)
この法律において「探偵業務」とは、他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として面接による聞込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する義務をいう。
1、この法律において「探偵業」とは、探偵業務を行う営業を行うただし、専ら、放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道)不特定かつ多数の者に対して客観的に事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものを除く。
2、この法律において「探偵業者」とは、第四条第一項の規定による届出をして探偵業を営むものをいう。
(欠格事由)
次の各号のいずれかに該当する者は、探偵業を営んではならない。
一、成年被後見人若しくは被保佐人は破産者で復権を得ないもの
二、禁固以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者
三、最低5年間に第十五条の規定による処分に違反した者
四、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員(以下「暴力団」という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者
五、営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号のいずれかに該当するもの
六、法人でその役員のうちに第一号から第四号までのいずれかに該当する者があるもの
(探偵業の届出)
探偵業を営もうとする者は、内閣府令で定めるところにより、営業所ごとに、当該営業所の所在を管轄する都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に、次に掲げる事項を記載した届出書を提出しなければならない。この場合において、当該届出書には、内閣府例で定める書類を添付しなければならない。
一、商号、名称又は氏名及び住所
二、営業所の名称及び所在地並びに当該営業所が主たる営業所である場合にあっては、その旨
三、第一号に掲げる商号、名称若しくは氏名又は前号に掲げる名称のほか、当該営業所において広告又は宣伝をする場合に使用する名称があるときは、当該の名称
四、法人にあたっては、その役員の氏名及び住所
(名義貸しの禁止)
前条第一項の規定による探偵業の届出をした者は、自己の名義をもって、他人に探偵業を営ませてはならない。
(探偵業務の実施の原則)
探偵業者及び探偵業者の業務に従事する者(以下「探偵業者等」という。)は、探偵業務を行うにあたっては、この法律により他の法令において禁止又は制限されている行為を行うことができることとなるものではないことに留意すると共に、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない。
(書面の交付を受ける義務)
探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、当該依頼者から、当該探偵業務に関わる調査の結果を犯罪行為、違法な差別扱いその他の違法な行為のために用いない旨を示す書面の交付を受けなければならない。
(重要事項の説明等)
1、探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結しようとするときは、あらかじめ、当該依頼者に対し、次に掲げる事項について書面を交付して説明しなければならない。
一、探偵業の称号、名称又は氏名及び住所並びに法人に当たっては、その代表者の氏名
二、第四条第三項の書面に記載されている事項
三、探偵業務を行うに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)その他の法令を遵守するものであること。
四、第四条に規定する事項
五、提供することが出来る探偵業務の内容
六、探偵業務の委託に関する事項
七、探偵業務の対価その他の当該探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の概算額及び支払時期
八、契約の解約に関する事項
九、探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する事項
2、探偵業者は、依頼者と探偵業務を行う契約を締結したときは、遅延なく、次に掲げる事項について当該契約の内容を明らかにする書面を当該依頼者に交付しなければならない。
一、探偵業者の称号、名称又は氏名及び住所並びに法人に当たっては、その代表者の氏名
二、探偵業務を行う契約の締結を担当した者の使命及び契約年月日
三、探偵業務に係る「調査の内容、期間及び方法
四、探偵業務に係る調査の結果の報告の方法及び期限
五、探偵業務の委託に関する定めがあるときは、その内容
六、探偵業務の対価その他の該当探偵業務の依頼者が支払わなければならない金銭の額並びにその支払の時期及び方法
七、契約の解除に関する定めがあるときは、その内容
八、探偵業務に関して作成し、又は取得した資料の処分に関する定めがあるときは、その内容
(探偵業務の実地に関する規制)
1、探偵業者は、当該探偵業務に係る調査の結果が犯罪行為、違法な差別的取り扱いその他の違法な行為のために用いられることを知ったときは、当該探偵業務を行ってはならない。
2、探偵業者は、探偵業務を探偵業者以外の者に委託してはならない。
(秘密の保持等)
1、探偵業者の業務に従事する者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。探偵業者の業務に従事する者でなくなった後においても、同様とする。
2、探偵業者は、探偵業務に関して作成し、又は取得した文章、写真その他の資料(電磁的記録(電子的方式,磁気的方式その他人の知覚によっては認識することが出来ない方式で作られた記録をいう。)を含む。)について、その不正又は不当な利用を防止するために必要な措置をとらなければならない。
(教育)
探偵業者は、その使用人その他の従業員に対し、探偵業務を適正に実施させるため、必要な教育を行わなければならない。
(名簿の備え付け)
探偵業者は、内閣府例で定めるところにより、営業所ごとに、使用人その他の従業者の名簿を備えて、必要な事項を記載しなければならない。
(報告及び立ち入り検査)
1、公安委員会は、この法律の施行に必要な限度において、探偵業者に対し、その業務の状況に関し報告若しくは資料の提出を求め、又は、警察職員に探偵業者の営業所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2、前項の規定により警察職員が立ち入り検査をするときは、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3、第一項の規定による立入り検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(指示)
公安委員会は、探偵業者等がこの法律又は探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において、探偵業の業務の適正な運営が害される恐れがあると認められるときは、当該探偵業者に対し、必要な措置をとるべきことを指示することができる。
(営業の停止等)
公安委員会は、探偵業者がこの法律若しくは探偵業務に関し他の法令の規定に違反した場合において探偵業の業務の適正な営業が著しく害される恐れがあると認められるとき、又は前条の規定による指示に違反したときは、当該探偵業者に対し、当該営業所における探偵業について、六月以内の期間を定めて、その全部又は一部の停止を命ずることができる。
(ア) 公安委員会は、第三条各号のいずれかに該当する者が探偵業を営んでいるときは、その者に対し、営業の廃止を命ずることができる。
(方面公安委員会への権限の委任)
この法律の規定により公安委員会の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、方面公安委員会に行わせることができる。
(罰則)
第十五条の規定による処分に違反した者は、一年以下の懲役又は五百万円以下の罰金に処する。
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一、第四条第一項の規定による届出をしないで探偵業を営んだ者
二、第五条に規定に違反して他人に探偵業を営ませた者
三、第十四条の規定による指示に違反した者
次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処す。
一、第四条一項の届出又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者
二、第三条第二項の規定に違反して届出書若しくは添付書類を提出せず、又は同項の届出書類若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者
三、第八条第一項若しくは第二項の規定に違反して書面を交付せず、又はこれらの規定に規定する事項を記載しない書四、面若しくは虚偽の記載のある書面を交付した者
五、第二条第一項に規定する名簿を備え付けず、又はこれに必要な事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をした者
六、第三条第一項の規定に違反して報告をせず、若しくは資料の提出をせず、若しくは同項の報告若しくは資料の提出について虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出した者又は同項の規定による立入り検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人又は人の業務に関し、第三項の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても,各本状の罰金刑を科する。
附則
(施行期日)
この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(経過措置)
この法律の施行の際限に探偵業を営んでいる者は、この法律の施行の日から1月間は、第四条第一項の規定による届出をしないで、探偵業を営むことができる。
(検討)
この法律の規定については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況、探偵業者の実態等を勘案して検討が加えられ、必要があると認められたときは、所要の措置が講ぜられるものとする。
平成19年6月1日より、探偵業の適正化に関する法律が施行されました。
以下に探偵業法をまとめます。
1, | 公安委員会への「届出制の義務」 探偵業法施行前、公安委員会の調査によると全国に5,000社の探偵社が存在していると把握していました。平成19年6月より探偵業法が施行され同年7月末までに届出をした業者は約2,700社です。約半分近い業者が届出をしていません。従って実体のない探偵社は淘汰されます。 |
2, | 従業員への「教育義務」 探偵業法に基づき優秀な人材を育成することは、健全な経営をする上で重要なことです。探偵業務に従事するものとして、従業員への教育義務が課せられました。 |
3, | 契約時における「各種書面の交付」 契約上のトラブルを避ける為に、事前書面と事後書面を交付する契約方法が義務付けられました。これにより委任者(依頼者)と受任者(探偵社)の双方の利益を守ることが出来ます。 |
4, | 「守秘義務と保管責任」 ご依頼者から頂いた書面・情報及び調査で知り得た情報の管理・保管の責任義務も課せられました。個人情報の守秘義務は探偵業務を従事しなくなっても厳守しなければなりません。 |
5, | 「罰則」の規定 探偵業の業務の適正化に関する法律を破ったものは、営業停止及び廃止を伴う激しい罰則が課せられます。 |
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